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活用事例

オンライン商談アポ×訪問アポのハイブリッド営業の確立"で得られる無限の可能性 vol.2

2021/4/29

オンライン商談アポ×訪問アポのハイブリッド営業の確立"で得られる無限の可能性 vol.2
前回は、コロナ禍で加速したテレワークのビジネス形態における、売れる新しい営業様式「テレフィスハイブリッド営業」の内容から、オンライン商談がもたらす営業の〝質〟を引き上げる効果「アポイントの自在性による商談段取りの大転換」について取り上げました。

▶オンライン商談アポ×訪問アポのハイブリッド営業の確立"で得られる無限の可能性 vol.1

今回は、それに留まらない無限の可能性にフォーカスを当ててご紹介してまいります。

移動時間の大幅削減による商談時間の大増量

時間をかけて移動しても、つねに成果がある商談ができるわけではないというリスクも、小さなものではありません。移動は、明らかに物理的に無駄な時間です。必要悪と言ってもいいでしょう。しかし、訪問が中心の営業マンたちは、いままで移動をせずに商談することは不可能でした。
そして、意外と知られていないのは、移動時間をデータ分析することの重要性についてです。私が15年前にコンサルティング事業を始めて最も驚いたことは、移動時間と商談時間のデタラメなバランスです。商談時間よりも移動時間のほうが多い会社が過半数を占めていました。
その理由は、かんたんです。移動時間の重要さを意識している会社が少ないからです。その結果、調べようともしていません。大半の営業部が調べていることは、1日あたりの営業件数です。たとえば、午前10時に「行ってきます」と会社を出て、午後5時に「ただいま戻りました」と帰社してきたら、社内のだれもが「1日中、外で営業、お疲れさまです」と思います。しかし、外に出ている時間の内、商談時間よりも移動時間のほうが長いと知ったらどうでしょうか。「ホントに仕事している時間は、外出している時間の5割もないんだね」と思う人が、大半を占めます。

実際に、1日の営業件数が4件で同数でも、商談の合計時間が平均120分の営業マンと、平均240分の営業マンがいます。同じ4件でも、だいぶ印象が違ってきます。前者の場合、「ほかの時間は何をしてるんだ?」という疑念が生じます。営業が外に出ている間にする活動は、商談だけではありません。 移動、昼食、ウェイティング、お客様との電話対応、時間調整など、いろいろとあります。その中でも、移動の占める割合は比較的大きいものです。出張を伴うエリアを持っている営業マンであれば、その比重はより大きくなります。しかし、移動しなければ商談という仕事ができないという現実があるので、必要悪として、あまり気にしてこなかっただけなのです。私は、営業コンサルティングでは商談時間と移動時間の比率を重要視しています。結論で言うと、その比率を2対1ぐらいに調整できると業績が格段に上がることは実証済です。
以上のことから、移動時間の比率の短縮は重要なポイントの一つです。しかし、従来の営業様式では、商談時間より少なくすることすら容易ではありませんでした。「移動時間をもっと抑えることができれば、あと数十分、商談時間が増やせるのに……」このように何度嘆いたかわかりません。その悩みを劇的に解決したのが、オンライン商談なのです。

ZOOMを中心としたビデオ会議ツールの機能が充実したことによって、手軽にオンライン商談ができるようになりました。その機能を充分に使いこなせば、遠隔対面型の商談時間が増えるという単純な部分もありますが、やはり何といっても「移動しなくてもいい」というメリットは計り知れないものがあります。 営業改革に成功した会社、もしくは、もともと営業および人材育成に成功している会社は、ある黄金の数値を持っています。図1の改革後の数値のように、1日平均の商談時間が240分以上、移動時間が120分未満という数値です(従来のオフィスワーク時のデータに基づいています)。

オンライン商談アポ

これは、見事な働き方バランスです。このバランスは、偶然できあがるものではなく、〝必要悪〟の移動時間をどのように効率的に少なくするかという絶え間ない努力、工夫があるからです。見た目では、移動時間は30分しか減ってないように見えるかもしれませんが、90分の商談時間に対する150分の移動時間の効率性と、240分の商談時間に対する120分の移動時間の効率性と捉えると、天と地ほどの差があります。
ところが、オンライン商談という選択肢は、そのような努力や工夫を吹っ飛ばすぐらいのインパクトがあります。理論値だけで言えば、1日平均の商談時間が360分以上、移動時間が0分、ということもありえるわけです。もちろん、外出自粛環境でない限り、直接対面のほうが効果的な商談の場合は、移動時間を費やしてでも訪問したほうがいいでしょう。しかし、すべての商談が直接対面である必要はないはずです。

組み合わせ自由の同席商談による営業概念の大刷新

お客様とのオンライン商談にて

営業担当「次のオンライン商談で、当社は関係者計5名が参加したいと思います」
お客さま「では、当社も実際に貴社システムを利用する各部門から1人、計6名が参加します」
営業担当「ネットワーク技術者、ハード技術者、社員教育のプロも同席しますので、何でも質問してください」
お客さま「オンライン商談になってダイナミックに同席者を増やせるので、一度に検討しやすくなりました」
営業担当「取引しない、という検討だけはやめてくださいね」

オンライン商談の隠れたヒットノウハウは、同席商談の自在性にあると考えています。なぜ隠れたヒットノウハウかというと、まだこのことに気づいている営業関係者が少ないからです。ショートダイアログのような使い方を提言しても、ほとんどの営業関係者は「そのような10人以上の商談は聞いたことがない」という反応です。それもそのはず。会議室の面積という物理的な拘束から最大人数を決める人がほとんどだったからです。オンライン商談でようやく会議室の面積を気にする必要がなくなったのですから、いままで聞いたことがないのはあたりまえです。私は、この大人数での同席商談にはかなり期待しています。営業の概念を大幅に刷新する可能性があるからです。何度もお話ししますが、訪問商談の最大のハードルは移動です。

●移動があるから、スケジューリングの制約が厳しくなります。
●移動があるから、同席商談が組み難くなります。
●移動があるから、大人数での同席商談は選択肢から除外してしまいます。
●移動があるから、スタッフ系の同席要請は遠慮してしまいます

オンライン商談によって、これらのハードルをすべて乗り越えて、いろいろな関係者が参加できる大人数同席商談が可能になりました。これによって、営業マンの役割も変わっていく可能性があります。営業マン自身の能力を磨く必要性があることは変わりませんが、いままでのように自分の能力だけで勝負する必要はなく、会社内に点在する能力をうまくコーディネートすることで商談をリードすることが可能になるのです。

オンライン商談がもたらす同席商談のあり方は、まさしく真っ白なキャンバスに自由に絵を描く権利を与えられたかのように、自由な発想で、いろいろなアイデアが生まれる予感がします。「同席商談アイデアコンテスト」のようなイベントを社内で実施すれば、目からウロコの奇抜なアイデアで溢れるかもしれません。大人数同席商談は、ほんの一例です。そのほかに、フルにスケジュールが合わない上司の途中同席、途中退席も、オンライン商談ならではの自在性です。また、お客様とのやりとりの中で、「社内のあの人だったらわかるだろう」と思いついたとき、電話で10分ほど可能との確認がとれたら〝飛び入り同席〟でスピーディに解決してしまう、というダイナミックな商談も可能です。

※本稿は藤本篤志著『テレワークでも売れる新しい営業様式~対面せずに成果を出すテクニックとマネジメントとは 』(技術評論社)より一部抜粋・編集したものです。
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著者プロフィール
藤本篤志(ふじもとあつし)
1961年大阪生まれ。大阪市立大学法学部卒。
株式会社USEN取締役,株式会社スタッフサービス・ホールディングス取締役を歴任。
2005年7月,株式会社グランド・デザインズを設立。代表取締役に就任。おもに営業コンサルティング事業,人材育成コンサルティング事業,働き方バランスサポートシステム事業をおこなう。株式会社USEN現役時代に営業プレーヤー・営業マネージャーとして全国トップの実績を残した経験を活かし,数多くの営業改革を成功へ導く。『営業の問題地図』(技術評論社),『御社の営業がダメな理由』『どん底営業部が常勝軍団になるまで』(新潮新書),『御社営業部の「病気」治します』(日本経済新聞出版社),『部下は取り替えても,変わらない!』(すばる舎)ほか著書多数。

ホームページ:http://eigyorevolution.com/

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